忍者ブログ
24 November

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

11 August

八月十一日

○早くも先の公演から二週間が経とうとしている。大したことのない忙しさと、とにかく身体を休めたい気持ちで、このブログから遠ざかっていた。また徐々に書いていこう。
○改めて、公演にご来場頂いたみなさまに感謝を申し上げる。アンケートはもちろん、SNSなどで見ることのできるものは大方読んだと思う。変えるべきところを変え、曲げたくないところは曲げずに次回も取り組んでいく。まだまだやりたいことは沢山あるのだ。
○先の公演までのブログを読み返してみると、私はいやに饒舌である。今の私は短い言葉しか出てこない。カタコトに近いぞ。そういえば、私はこのブログで切に「この物語には嘘がある」と話してきた。ある種のミステリーであることを強調してきたのだ。だからこそ、私にはこの物語の嘘が何であったのかを答える何かしらの義務がある。ミステリーというのはそういうものだと思っている。長々と引っ張っても、ハードルが上がるだけなのでさっさと片付けよう。
○この物語は誰も死んでいない。いや、実際には死んでいるかもしれないが、私達が明示した事実の中にはそのような現実はない。あの首を吊った臼杵利平も、姫草ユリ子さえも死んではいないのだ。
○演劇とは卑怯である。二週間経った今、誰がこの物語を鮮明に覚えているだろうか。この解答が誰かに影響することもそうないと思うが、これにて「怪問畸答―何ンデモ無ヒ―」、お終い。
PR
03 July

七月三日

○さあ、ついに公演月に来た。そして、四月から繰り返し三日に更新しているこのブログも最終回である。今回は何にもおかしなことは書かないぞ。ただ丹念に今回の見所について語っていく。何にもおかしなことはないぞ。
○前にも書いたが、本公演「怪問畸答ー何ンデモ無ヒー」は、夢野久作『少女地獄』を原作とする作品だ。その中の、「何んでも無い」という短編を用いている。何もおかしなことはないぞ。そして、この「何んでも無い」は限りなく映像作品の少ない物語だ。その理由は、これを戯曲化しようとした時にすぐに分かった。全編が臼杵利平という人物が書いた手紙だからだ。手紙は主観しか語らない。私たちはこれを演劇にするため、客観性を与え、原作では語られない扉を開く必要があった。そして、私たちはそれに成功した。本公演を目撃するあなたは、私事。解釈を楽しむ余地が十分に用意されている。何もおかしなことはないぞ。
○本公演のテーマは「嘘」である。この物語は嘘にまみれている。本間広子演ずる姫草ユリ子は嘘の天才である。そして、書簡体である原作は多くの事実を隠すのに適している。私たちも、あなたに対して嘘を吐いている。何もおかしなことはないぞ。しかし、その嘘を見抜けるだけの手掛かりを舞台のいたるところに張り巡らせた。まず、カレンダーに注目してほしい。このブログの毎月三日更新である企画を始めとして、私たちはあなたに日付が持つ意味の大きさを印象つける試みをしてきた。何もおかしなことはないぞ。そして、それは幕が上がってからも続く。何もおかしなことはないぞ。あなたが客席に座れば、すぐにその存在に気付くだろう。それが持つ意味を是非とも考えてみて欲しい。何もおかしなことはないぞ。それが達成されれば、この物語に内在する狂気に気付けるかもしれないからだ。
○私事。の役者のファンであるあなたへ語ろう。本公演は必見だ。近年、様々な処で客演をし、多くの方から愛されるヤギヌマが、主人公である臼杵利平を演ずる。しかし、彼は今狂気に満ちている。どうか彼を救い出してほしい。そして、嘘と狂気を体現する姫草ユリ子を、本間さんが演ずる。私事。で男性役を演ずることの多い本間さんだが、ついに女性を演じる。これまでのアンケートに「是非観たい」という声が多かったのもあり、彼女の女優姿を堪能できる人物を用意した。それが姫草ユリ子だ。この他、臼杵に事の発端を持ち込む曼陀羅と好奇心に溢れる臼杵の妻の松子を山田が、ユリ子の正体を知る看護婦をハルちゃんが演じる。そして、あなたがこの物語の真相に近づくために欠かせない白鷹秀麿をヒロくんが担う。
○私たちはいたって正常である。何もおかしなことはないぞ。何もおかしなことはない。三週間後、えんとつシアターで会いましょう。何も、おかしなことは、ない。ナニモ、オカシクナイ。ナンニモ。

03 June

六月三日

○気が付いたらもう六月三日ではないか。イヤア、こいつはしまったぞ。当然ながら毎月三日しばりの記事を書くはずなのだが、何の準備もない。そもそも前回、車を手放した思い出の出会い編を書き、続きはまた今度といったがそれすらも書いてはないではないか。全く怪しからん。実は普段のブログはそれなりの時間をかけて推敲を重ねているが、これは即興で書いている。恐ろしい。
○便りがないのは元気な知らせだというが、ブログの更新がないのは一体どうなのだろう。お陰さまで稽古は順調である。稽古が順調すぎて、仕事中も芝居のことで頭がいっぱいになり、今週は色々やらかしている。というか先月から結構やらかしている。あと二カ月弱の間に取り返しのつかないヤラカシをしなければいいのだけれど、不安でしかたがない。私のヤラカシについて、ピンと来ない方が多いと思うが、とある真冬の公演最終日のいざ解散というときに、車のバッテリーを上げる男である。その節は本当にすみませんでした。その他、自転車を買った一週間後に、そのカギを失くす騒動を起こしている。ちなみにこれは無事見つかった。どれも重々反省している。
○これではまるで本題がないので、少しは本公演の話もするぞ。ここ最近になって、演出の全容が見えてきた。音楽が決まり、照明や舞台のデザインが決まり、衣裳も集まってきている。イメージだったものがドンドン具体的になっていく。特に進捗のよい音響に触れるが、ベタ好きのスギタニと、独特の感性の持ち主の音響ノグチのミックスによって今まで以上に私事。らしく仕上がってきている。クライマックスの曲は私が選曲したが、ぜひ注目してほしい。登場人物は、ほぼ全て頭の中がハッピーなやつの集まりだが、あまりハッピーな話ではない。どちらかといえば心も体も限界状況にまで達するが、だからこそ生を感じられ、迷いを生む作品になる。劇団員からは本当に意地が悪いとなじられる演出スギタニの意地の悪さをどうぞご堪能あれ。アハハハハハハハハ。
○六月になって、予約の受付を開始した。たくさんのご来場を心より願っております。

予約フォームはこちら。

公演情報の詳細はこちら。