01 December 十一月三十日 ▼先日の日曜に進捗を報告していくことを書いたが、今週は忙しく脚本に手をつける時間がなかなか取れない。土日も泊まりで長岡なので、直接的な成果というものにはつながらないのが悲しい。しかし、考える時間は仕事中を含め大いにあるので、全く進まないというわけでもないのだ。▼第十回公演脚本に関して、26日段階でまとまったプロットを昨日の稽古で劇団内で揉んでもらった。疑問点や改善点、物語の要点について目指すべきところが明るみになったので、これから修正に入る。前半は大きくは変わらないので、今書いている冒頭のシーンは引き続き書いていく。▼提供脚本はプロットがまだまとまっていない。先週までで中盤の後半から終盤のイメージが出ていたが、他はまだの状態だった。今日の日中に中盤の前半の展開について閃きがあったので、これで全体の3/4がまとまりつつある。問題は序盤で、主人公が物語に入る動機付けが曖昧なままだ。こちらは中終盤のイメージが出てきていることを活かして、逆算的に動機付けを行うのもいいかもしれない。▼私事だが、12月は職場の繁忙期になる。例年より忙しさが増しているが、12月中にどちらもある程度の形を目指して頑張っていきたい。劇団にも提供先にも、クリスマスプレゼントは用意したいものだ。 PR
29 October 十月二十九日 ▼自分のツイッターに書こうと思ったが、140字でまとめるには惜しいと思ったのでコチラにしたためようと思う。前回が9月12日で、10月には何も書いてなかったので丁度よい。久しぶりにお付き合いください。▼先月の公演が終わってから2カ月近くになるが、割と何もしていない。私事。の活動も数回しかなく、事後処理がほとんどだ。私の私事になるが、今月頭にシティマラソンに出た。初のフルマラソンは5時間という記録を残した。「あの時歩いてなければ、5時間を切れたのに」と後悔もしているが、来年も走るとは限らない。しかし、人生で一度は経験しておいてもいいことだと思う。想像以上にドラマがある。レモン漬のきゅうりが特に美味しかった。▼今週の水曜に私事。の活動があり、みなと顔を合わせた。全員とはいかなかったが、久しぶりな劇団員もおり、賑やかな日だった。私事。としてはそろそろ来年以降の活動方針を決めていきたい時分であるので、みなの来年以降の予定を擦り合わせた。まだ社会的に不安定な年代のせいか先行き不明な者も多いが、来月上旬に決断することとなっている。まずは第十回公演を立ち上げることが重要課題であるとともに、今年始めたハナシの種シリーズの第二弾も行いたい。さて、どうなることだろう。▼公演が決まるということは私は脚本を書かねばならぬということだが、まだ白紙な状態である。順番的に先月の第九回に続いて、ハナシの種vol.2、第十回が妥当と思っていたが、その日の話し合いでは第十回が優先される可能性も出てきた。その日より前は「まあ、ハナシの種だろう」と思っていたので、急な第十回公演の可能性に震えている。全くの白紙だからだ。「もし第十回をするなら」と話を聞いたら、第二回「則天八転」、第五回「五徳喚者」のような重くて疲れるやつがよいという。これらは好みが二極化しやすい上に、これらほど稽古が大変な脚本は私事。の中では他にない。書いて演出する私からすると、どうして役者たちはこのベクトルがやりたいんだと疑問が尽きない。▼現在の私の脚本の形式はおおよそ三つだ。第二回、第三回、第五回のような近代小説の現代化。第四回、第六回、第七回、第九回のようなオリジナル。第八回のような時代そのままの翻案。第十回という記念にすべきか分からない節目にふさわしい公演は何になるのだろうという不純な動機付けも含めて、私は頭を悩ませている。実は戯曲化したい小説があって今日調べていたのだが、まだ著作権が切れていないことが分かって断念することにした。権利問題をしっかりすればいいのだが、そこにエネルギーを注ぐ気力はなかなか沸かない。避ける方が楽なのだ。だから、今もなお第十回は白紙のままなのだ。▼実は私事。と並行して、他所でもう一本脚本を書く可能性がある。まだ決定ではないので本腰を入れてないが、こちらは人物表とあらすじは概ねまとまっている。私事。では絶対にやらないであろう作品なので、楽しくやれそうだ。そちらも来月に話し合いがなされるそうなので、今は自劇団の脚本の息抜き程度にとどまっている。▼今週から11月に入る。気温も落ち込み、雨も多い。シティマラソンも終わって当分外を走ることもなくなるだろうから家にいる時間も増えるだろう。これから脚本を書くためには良い季節がやってくる。秋は好きだ。
12 September 九月十二日 ▼一昨日、劇団私事。の第九回公演「月が惑星」が終演しました。改めまして、今回の公演にご来場いただいたみなさまをはじめ、ご協力いただいたみなさまに多大な感謝を申し上げます。また、共に公演を作った劇団員と、音響オペで助力いただいた大塚くんにも感謝しております。昨日は落ち着く間もなく過ぎ去っていきまして、今日になって少しの落ち着きを取り戻したのでブログに手を伸ばしました。大したことは書きませんが、よければお楽しみ下さい。▼今回の舞台は、親子の関係を地球と月の関係に重ねたものだったが、それは最初から狙ったものではなかった。この公演の企画が立ち上がる前に、私はこの公演のことを「サイクル」と呼んでいた。ご承知の通り、月ちゃんと先輩が初めて出会ったシーンで登場し、その後も月ちゃんの基本指針に関わるワードとして使われる。脚本の初期構想段階から、このサイクルを中心として練っていて、そして、そのサイクルを先輩に説明させるのに地球と月の関係性を用いた。その時にはまだタイトルが決まっておらず、今から4カ月前の企画時(脚本はまだ3割程度だった時)に、その先輩の台詞が劇団員たちの中でも印象が強かったために「月が惑星」というタイトルが発案された。それを受けて、脚本もタイトルに合わせたものへとベクトルを向けることとなったのだ。実のところ全ては私の遅筆が原因となるところなのだけれど、結果として公演全体のデザインに良い影響を与えてくれた。▼アンケートや公演後のお帰りの際に「次も楽しみにしてます」との声をたくさんいただいた。その言葉が本当に嬉しい。脚本家として、演出家としての私は必要とされていることを認識させてくれる。しかし、今はまだ次の公演の時期も内容も何も決まってない。私事。の公演を旗揚げの頃から観ていただいている方からは「もっと私事。らしさを」という言葉もいただいている。私事。らしさ、私らしさとは何なんだろう。私は私事。の芝居のなかで「わたしーあなた」という紐帯を大切にしている。「わたしはあなたが認識して、実在する」ということを思いながら、また脚本を作るところから始めるだろう。▼今回はこれまで。また、舞台でみなさんにお会いできることを楽しみにしております。今後とも劇団私事。をよろしくお願いいたします。それでは。