23 November 十一月二十三日 ○公演から一夜明け、祝日なのもあいまってひたすらにのんびりしている。明日からまた日常だ。私は参加しなかったがやぎ宅でハラコ飯会をやっているというので、楽屋見舞いで頂いたお酒とお菓子を昼過ぎに届ける。他の人たちもそれぞれ休息しているだろう。○というわけで、無事、劇団私事。第七回御多混公演「ハナシの種」が終了した。非常に多くの方にご来場頂き本当に嬉しい。しかしながら、本番数日前にはどの回も満席に近い状態で、もしかすると観劇を諦めた方もいるかもしれないと思うと心苦しくもある。次回からは全四回公演を検討しなければ。また、会場であったえんとつシアターにも感謝申し上げる。これだけの来場者があったのも劇場が後押ししてくれたことは間違いない。スタッフの方々にも親切にして頂いた。○公演はどうだっただろうか。多くの方から好評を得られたが、毎度のことながらアンケートで見かけるノビシロを褒められてる感は否めない。ツメが甘いのだろう。素直に受け止め、次回に活かすのだ。一方で、仕込みバラしとお手伝い頂いた方から直接お褒めの言葉をもらった。あまりにも真っ直ぐな言葉に慣れない私は照れ臭くお礼を言って立ち去り、劇団員から「ニヤけすぎ」とからかわれてしまった。また、「知り合いがこう言ってたよ!」と伝えてくれたり、今まで以上に反響のある公演でもあった。○私事。とは関係ないが、公演の挟み込みに私の名前が入った「ストリーマ企画」という名の公演チラシが入ってたと思うが、これについては今後触れていこうと思う。時期も時期なので、少しでも宣伝しなければ。私は20分程度の新作短編を執筆、演出する。今回楽しんでいただいた方はぜひ検討して頂きたい。○私事。の第八回についても構想は進んでいる。進んでいるが、第七回前から考えていたものにするか、公演を受けて後々やろうと思ってたことをやるかで悩んでいる。しかし、選択肢の多いときは往々にして良いときであることが多い。しばし長考して、確かなものを掴んでいきたい。何にせよ、これまでとはまた違ったものを目指して行こうと思う。○最後に書いているうちに日付がかわって二十四日だ。やぎぬま誕生日おめでとう。 PR
18 November 十一月十八日 ○明日からいよいよ仕込みに入る。今日はオフだ。まあ、何人かの劇団員は準備を進めていることだろう。私の車には衣裳類が乗っている。役者総勢九名――中には複数役の人もいるので役の数でいえば十役以上の衣裳。衣裳ケース二つでは収まりきらず袋がいくつか飛び出ている。なかなか壮観だ。○昨日はえんとつシアターを借りての稽古だった。本番直前にして最終チェックだ。仕上がった役やテクニカルな部分の感触を時系列で確かめる。これまでの公演ではやってこなかったが、やはり本番の場所で稽古できるのはいいものだ。得るものが多い。稽古始めにコヤ付きの方に写真を撮ってもよいかと聞かれたので快諾したが、この方と話すのは初めてだったのでよく私が主宰だと分かったなあと驚いた。まあTwitterで顔を出してるしと納得したが、根がシャイなため思いの外動揺した。あとで改めて挨拶を交わしたが、また実年齢以上の印象を持たれたようだ。よく私とやぎぬまが比較されて、私が彼より年上だと思われるのだが、私の方が下である。一度、二十八歳の方に年上だと思われていたが、流石に三十代に思われるのは悲しいものがあるぞ。○帰りははるちゃんと共にヒロくんに送ってもらった。偶然にも今回私事。初舞台の二人だ。せっかくなので、本番直前の心境を聞いてみた。はるちゃんは緊張しているようだ。舞台に立つのは小学生以来らしい。しかし、ここに来てコツを掴んだのか稽古の度にぐいぐい伸びてきている。流石最年少、ノビシロは大きい。一方、ヒロくんは自信を持ちはじめているようだ。先週は不安で仕方なかったようだが、今週になって自信が湧いてきているらしい。実に頼もしい言葉だ。二人とも自分の世界に閉じこもらず、相手の役者や観客との熱量のやり取りを楽しんでほしいものだ。○予約が百名を超えた。本当にありがたい。今まで対外的には「来場が百を超えない弱小劇団ですから」と勝手に言っていたが、これを期に改めなければならない。ああ、何と言ったものか悩ましい。そんなことを考えながら今日も終わり。明日から仕込みよろしく。
15 November 十一月十五日 ○本番まで一週間を切った。火曜はえんとつシアターでの稽古があり、木曜から仕込み、土曜から本番である。実に楽しみだ。○お陰さまで過去最高の予約を頂いている。メールで頂いている中にも「楽しみにしている」旨のコメントを添えてくれる方もいて、これが非常に嬉しい。私の友人のひとりは都合がつかず観に来れないのだが、その友人の友人で演劇に興味がある方がいたらしく、その方が観に来てくれるらしい。これも非常に嬉しい。というか、予約の仕方に関わらず、観に来てくれる全ての方が愛おしい。おっと、そこまで言うと逆に引かれてしまうか、これは失敬。○「ハナシの種」は短編三編からなる。「りんご裁判」は五月のえんとつ王からの再演だが、私たちはその公演を踏まえてさらなる昇華を行った。より深めつつ、よりキャッチーに。初見はもちろん、えんとつ王で観てくれた方も十分に楽しめる内容になっている。シュールなコメディだ。○「いぬさま、ねこさま」は意外性がある。他にも語るべき要素がある気がするが、ありすぎて何から伝えるべきか皆目見当がつかない。スラップスティックとまではいかないかもしれないが、ドタバタしたコメディだ。○「レトログラード」はサスペンスめいたものがあり、"terror"な要素もある。私事。の芝居のなかでも異質なものだろう。THE・私事。である本間さんと私事。最年少である岩瀬さんの絡みも必見だ。○簡単ではあるが、それぞれの見所について語ってみた。もしまだ観劇を悩んでいるのなら、その背中を押せればと思う。