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17 May

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29 October

十月二十九日

▼自分のツイッターに書こうと思ったが、140字でまとめるには惜しいと思ったのでコチラにしたためようと思う。前回が9月12日で、10月には何も書いてなかったので丁度よい。久しぶりにお付き合いください。
▼先月の公演が終わってから2カ月近くになるが、割と何もしていない。私事。の活動も数回しかなく、事後処理がほとんどだ。私の私事になるが、今月頭にシティマラソンに出た。初のフルマラソンは5時間という記録を残した。「あの時歩いてなければ、5時間を切れたのに」と後悔もしているが、来年も走るとは限らない。しかし、人生で一度は経験しておいてもいいことだと思う。想像以上にドラマがある。レモン漬のきゅうりが特に美味しかった。
▼今週の水曜に私事。の活動があり、みなと顔を合わせた。全員とはいかなかったが、久しぶりな劇団員もおり、賑やかな日だった。私事。としてはそろそろ来年以降の活動方針を決めていきたい時分であるので、みなの来年以降の予定を擦り合わせた。まだ社会的に不安定な年代のせいか先行き不明な者も多いが、来月上旬に決断することとなっている。まずは第十回公演を立ち上げることが重要課題であるとともに、今年始めたハナシの種シリーズの第二弾も行いたい。さて、どうなることだろう。
▼公演が決まるということは私は脚本を書かねばならぬということだが、まだ白紙な状態である。順番的に先月の第九回に続いて、ハナシの種vol.2、第十回が妥当と思っていたが、その日の話し合いでは第十回が優先される可能性も出てきた。その日より前は「まあ、ハナシの種だろう」と思っていたので、急な第十回公演の可能性に震えている。全くの白紙だからだ。「もし第十回をするなら」と話を聞いたら、第二回「則天八転」、第五回「五徳喚者」のような重くて疲れるやつがよいという。これらは好みが二極化しやすい上に、これらほど稽古が大変な脚本は私事。の中では他にない。書いて演出する私からすると、どうして役者たちはこのベクトルがやりたいんだと疑問が尽きない。
▼現在の私の脚本の形式はおおよそ三つだ。第二回、第三回、第五回のような近代小説の現代化。第四回、第六回、第七回、第九回のようなオリジナル。第八回のような時代そのままの翻案。第十回という記念にすべきか分からない節目にふさわしい公演は何になるのだろうという不純な動機付けも含めて、私は頭を悩ませている。実は戯曲化したい小説があって今日調べていたのだが、まだ著作権が切れていないことが分かって断念することにした。権利問題をしっかりすればいいのだが、そこにエネルギーを注ぐ気力はなかなか沸かない。避ける方が楽なのだ。だから、今もなお第十回は白紙のままなのだ。
▼実は私事。と並行して、他所でもう一本脚本を書く可能性がある。まだ決定ではないので本腰を入れてないが、こちらは人物表とあらすじは概ねまとまっている。私事。では絶対にやらないであろう作品なので、楽しくやれそうだ。そちらも来月に話し合いがなされるそうなので、今は自劇団の脚本の息抜き程度にとどまっている。
▼今週から11月に入る。気温も落ち込み、雨も多い。シティマラソンも終わって当分外を走ることもなくなるだろうから家にいる時間も増えるだろう。これから脚本を書くためには良い季節がやってくる。秋は好きだ。
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12 September

九月十二日

▼一昨日、劇団私事。の第九回公演「月が惑星」が終演しました。改めまして、今回の公演にご来場いただいたみなさまをはじめ、ご協力いただいたみなさまに多大な感謝を申し上げます。また、共に公演を作った劇団員と、音響オペで助力いただいた大塚くんにも感謝しております。昨日は落ち着く間もなく過ぎ去っていきまして、今日になって少しの落ち着きを取り戻したのでブログに手を伸ばしました。大したことは書きませんが、よければお楽しみ下さい。

▼今回の舞台は、親子の関係を地球と月の関係に重ねたものだったが、それは最初から狙ったものではなかった。この公演の企画が立ち上がる前に、私はこの公演のことを「サイクル」と呼んでいた。ご承知の通り、月ちゃんと先輩が初めて出会ったシーンで登場し、その後も月ちゃんの基本指針に関わるワードとして使われる。脚本の初期構想段階から、このサイクルを中心として練っていて、そして、そのサイクルを先輩に説明させるのに地球と月の関係性を用いた。その時にはまだタイトルが決まっておらず、今から4カ月前の企画時(脚本はまだ3割程度だった時)に、その先輩の台詞が劇団員たちの中でも印象が強かったために「月が惑星」というタイトルが発案された。それを受けて、脚本もタイトルに合わせたものへとベクトルを向けることとなったのだ。実のところ全ては私の遅筆が原因となるところなのだけれど、結果として公演全体のデザインに良い影響を与えてくれた。

▼アンケートや公演後のお帰りの際に「次も楽しみにしてます」との声をたくさんいただいた。その言葉が本当に嬉しい。脚本家として、演出家としての私は必要とされていることを認識させてくれる。しかし、今はまだ次の公演の時期も内容も何も決まってない。私事。の公演を旗揚げの頃から観ていただいている方からは「もっと私事。らしさを」という言葉もいただいている。私事。らしさ、私らしさとは何なんだろう。私は私事。の芝居のなかで「わたしーあなた」という紐帯を大切にしている。「わたしはあなたが認識して、実在する」ということを思いながら、また脚本を作るところから始めるだろう。

▼今回はこれまで。また、舞台でみなさんにお会いできることを楽しみにしております。今後とも劇団私事。をよろしくお願いいたします。それでは。
14 August

八月十三日

▼世間はお盆だが、帰省していない。残念なことにお盆休みはなく、一昨日と今日の日祝が休みだったので連休ですらない。いや、別に連休がないことに不満はないのだけど、私の実家は福井県なので電車を乗り継いで都合5時間ほどかかる。朝に出ても昼過ぎに着くので、実家に帰るには三連休は欲しい。そんなことを思いながら、涼しい部屋で甲子園を観ながら公演の準備に勤しむのだ。
▼気がつけば「月が惑星」の本番まで1ヶ月を切った。きっとそろそろ来月の予定を立て始めるだろうと思うので、何かそのキッカケになれるようなことを書こうと思う。あいも変わらず文章だけで進むし、内容もちょっとクドくもあるがよければお付き合い下さい。さあて、問題は何を書くかなのだけれど、まずはちょっとした昔話をしよう。
▼昔といっても数年前の話だが、私は公演直前に公演の見所などについてインタビュー的なものを受けたことがあった。その時、「どんな人に見て欲しいか」という質問を受けて、言葉に詰まったことがある。どんな人と言われても、こちらは観に来てくれる方を取捨選択する権利は無く、どんな人にも観に来て欲しいと思ったのだ。だから言葉に詰まった。それはそれで間違いでは無いが、この質問の真意はそこには無いと今では思っている。
▼「月が惑星」の物語は家族の物語である。親がいて、子どもがいる。そして、ありがちなテーマであるが「自立」というのが大きな軸になっている。主人公の年齢は23歳だ。大学を出て、働き始めたばかりである。私は今26歳だが、ここまで生きてきて、高校入学(この時に問われるのはむしろ「自律」のように思う)と、高校卒業、成人式などの節目で問われる「自立」、そして就職以降で問われるソレとは意味合いが異なると思ったのが、全ての始まりだ。そして20代で問われる
この問題は10代で問われるものより、ちょいと複雑であり個々人によってバラバラだとも思う。そして、そんな中の一破片を物語として仕立て上げたのが「月が惑星」なのだ。
▼さて、今回の物語の骨子について語ったところで、私がこの物語を「どんな人に見て欲しいか」という問いに戻ろう。答えはいくつもある。まずは何より私と同じ20代の人に見て欲しい。主人公と同じではなくとも、似たような葛藤を持ったこと、持ちうる可能性がある人は多いと思う。是非、主人公の目線になって見て欲しい。それから、これから20代になる10代の方にも見て欲しい。私が10代の頃にはカケラも悩まなかったことで主人公は悩んでいる。そして、この物語は親と子どもをめぐる話だと言った。つまり、主人公の親がもう1人の主人公たりうる存在として登場する。だから、20代の子を持つ親世代である40〜50代の方にも見て欲しい。間が抜けたが、30代の方にもモチロン見て欲しい。20代の葛藤を経たからこそ見えてくるものがあるかもしれない。私にはまだ見えない景色が見えたのなら、是非私に教えて欲しいとも思う。60代以降の方にも見て欲しい。前回も触れたが、この10年で家族の形態は変化している。現代家族と私が評しているその構造を是非とも楽しんで欲しい。現代の選択肢は多様なので、人の親にならない選択をしている人も多いと思う。そんな方にも見て欲しい。親と子という関係を超えて、私は「月が惑星」というタイトルを呼称するに相応しいテーマを物語に与えた。それは普遍的なものであると信じている。その点を是非とも楽しんでもらいたい。
▼長々と書いた上に問いの前に戻るが、つまりはどんな人にも見て欲しいのだ。しかし、見る人の年齢や立場によって、この物語の見え方はバラバラになるだろう。人によっては誇張されたフィクションに見えるかもしれないし、またある人にとってはドキュメンタリーに見えるかもしれない。そんな可能性を秘めているからこそ、この物語は魅力があると思う。
▼ここまで読んでくれてありがとうございます。この記事にどこかしらで共感なり反感を抱いていただけたのなら、是非とも9月8日〜10日に「月が惑星」を上演しますので足をお運びいただけたら幸いです。予約フォームは下記に。それでは、会場でお会いしましょう。

▼予約はこちら
https://form1ssl.fc2.com/form/?id=21725381649c5c16&viewmode=pc