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November
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後漢の時代、張劭(ちょうしょう)という秀才がいた。帝が賢者を求めると言うのを聞いた劭は洛陽を目指して旅立ち、その旅の道中で泊まった宿で、流行り病で苦しむ巨卿(きょけい)に出会う。同じ賢者を目指す巨卿を劭は手厚く看病し、二人は親交を深め、義兄弟の契りを結ぶ。そして、別れの日が重陽の佳節(9月9日)だったので、翌年の同日に劭の家で再会することを約束する。▼さて、「菊花の約」はこの「死生交」を原拠において、そのプロットの多くを採用している。しかし、その中でも上田秋成が「死生交」とは違うものにした点がいくつかある。その点について話して行きたいが、その前に、再開の約束までは概ね同様だと言っていいだろう。もちろん、後漢と江戸の話で国も時代も違うでの、そこからくる違いはあるのだけれど、序盤の「流行り病に倒れ、看病し、義兄弟の契りを結ぶ。そして、重陽の節句に再会することを約束する」という点では両作品は変わらない。
約束の日。劭は朝から待ったが、夜も更けた後になって巨卿が姿を見せる。そして、巨卿は事情があり、今朝になって今日が約束の日であること思い出したと語りだす。一日では間に合わないと思った巨卿は、妻子に「私をすぐには埋葬せず、劭が訪ねてくるまで待ってほしい」と言い残し、自らの首を刎ね、魂となってやってきたことを明かし、消える。
巨卿の死を嘆いた劭は、巨卿の故郷を訪ねる。そこには巨卿の妻が「夫の棺がピクリとも動かない」と困っていた。劭は巨卿の棺の前に伏して泣き、自らを巨卿と傍らに葬ることを頼み自らの首を刎ねた。
【ご予約受付中!】
劇団私事。第十回公演
「雨を聴いて眠る」
作・演出 杉谷 拓馬
原作:上田秋成『雨月物語』より「菊花の約」
現代に翻してのお届け。
2018年6月29日(金)〜7月1日(日)
新潟古町えんとつシアターにて。
▼ご予約はこちらから▼https://t.co/hhwqDa7ZFI pic.twitter.com/ZbojcXW60Q
— 劇団私事。 (@watakushi_goto_) 2018年5月6日