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ぜひ四月一日、四月三日の記事もお読みください。
○私事だが、今日はとても暑かったのでクローゼットから扇風機を取り出し、額に冷えピタを貼って過ごした。先日、実家のある福井に車で帰省したので、車体に虫がべったりと付いてしまった。14万キロを超え、帰省で往復1,000キロ弱を走破したマイカーを労おうと洗車にスタンドに向かったが、残念ながらどこも長蛇の列。諦める他なかった連休初日だ。
○さて、今回の公演は、"臼杵は「姫草ユリ子の自殺」について語る"物語であり、臼杵が姫草ユリ子に出会うのが今日、五月三日だ。この日からおよそ半年かけて、臼杵は数奇な出来事に巻き込まれることになる。そんな物語と現実がリンクしたこの日に、また新たな今回の公演をより楽しむための話をしよう。繰り返すが、これはあくまでオマケであり、知らなくたって何の問題もない。
○先月、今回の主人公・臼杵を演じる栁沼がY2工房さんの「hello&ghost(ハローアンドゴースト)」に客演させて頂いた(あれは良い栁沼だった)が、その公演から本公演のカラーチラシを撒かせてもらっている。みなさんのお手元に一枚あるだろうか?……ん、無い? 公演情報に載ってるから目の前の機械でぜひ確認してくれ。今回も多くの方から好評を頂いている公演チラシだが、その細部に目をやってみてもらいたい。これを作った人は「素材なんか丁度いいのが無いから作った」と簡単に言うが、「え、これも作ったの?」と思われる素材は全部そうらしい。いや、着物は違うぞ。そんな揚げ足は取らんでくれ。参ったナア、もう。
○公演チラシを見ていると、まず飛び散った日捲りカレンダーが目に入る。これは四月一日に触れた「日付問題」で、この日記も毎月三日に更新している理由もここにある。私たちは「三日」という日付をあなたに印象つけたいのだ。モチロン、その意図は劇中にも行われる。そして、人物の奥に新聞の切り抜きめいたものがあるのが分かるだろう。よくよく注意すると、劇団員の名前や過去の公演にまつわるメタい単語が見え隠れしているのがお分かりいただけるだろうか。さらに、その中に何箇所か「謎の女」という言葉があることに、あなたは気付くだろう。
○臼杵がユリ子に会う前の三月頃、新聞という新聞に「謎の女」を見出しとする記事が書き立てられていた。
――彼女は警察に「妾(わたし)は只今××の××という家に誘拐、監禁されている無垢の少女です。 只今、魔の手が妾の方へ伸びかかっておりますが、僅かの隙間を見て電話をかけているのです。助けて下さい。助けて下さい。」という意味の、真に迫った、息絶え絶えの声を送って、当局の自動車をとんでもない方向に追いやった。彼女はかようにして、それから度々警察を騒せ、その全てが同じ女だということがわかって、極度に当局を憤慨させ、新聞記者を喜ばせた。
この無鉄砲とも無茶苦茶とも形容できない一種の虚構の天才である「謎の女」は、姫草ユリ子である。そして、そんなことを露とも思わせず彼女は、劇中で臼杵の病院内を飛び回るのだった。