21 August 八月二十一日 ○野球の話をしよう。今日は私の職場の草野球チームの信越地区大会だった。地区大会と言ったが、つまりこれを勝ち抜くと全国大会がある。それくらい規模の大きいものだった。しかし、残念なことに我がチームは全国の文字がよぎることの無い弱小チームである。それでも、野球が好きで、騒ぐのが好きな私たちにとっては良いイベントだ。長野まで遠征するので、前の晩にバスで向かいホテルに泊まる。道中は酒盛りだ。出発と同時に乾杯し、テキーラをショットで煽り、ホテルに着いたらそのまま飲み屋に行く。勝ちを目指さない姿勢に葛藤はある。でも、試合ではヒットを打って喜び、エラーして笑い、アウトを取って褒めあうこの空間が何よりも心地好い。○昔話をしよう。私は小学生の頃から高校の1年の冬まで野球をしていた。小学生の頃はコントロールが良かったのでピッチャーをしていた。中学でもそうだったが、みんなが成長期を迎え、体格に差が付き始めた。私はずっと小柄だった。そして、中2の秋に肘を壊してしまった。中3の春には間に合わず、最後の夏も投げることはなかった。高校でも野球を続けるつもりだったから、迷わず入部した。でも、その冬に辞めた。理由は色々あった。顧問に言う前に、父に辞めることを言った。父は「分かった」と一言だけだった。後になって、父は母に何故もっと引き止めなかったのかと言われたらしい。父も母も、小学生の頃から色々支えてくれた。少年野球の時の監督は「親に感謝するように」とよく言っていたが、今になってその思いが強くなる。○ああ、何故か湿っぽくなってしまった。余談だが、辞める時に勉強のためと言ったら「勉強のために辞めたやつにいい結果が出たやついねえぞ」と言われたが、その直後のテストで前回200番台の順位が80番台まで上がっている。ザマアミロだ! PR